2019年28週 memento mori

「いまからノート」というエンディングノートを購入しました。
死や残された人へのメッセージを思わせる言葉が
藤本智士さんの美しい言葉で綴られており、
福田利之さんのどこか神聖な気持ちになるようなイラストが
ふんだんに使われています。

蛇腹折りのページに
好きだったこと、お気に入りの場所、私の家族たち…など
書き込む欄が続いています。

その本を手にして、ぱらぱらとめくると、
不思議とちょっと楽な気分になる自分がいました。
今迷ったりうまくいかないと思うこともあるけど、
私の人生も終わってしまえば一冊ににまとまっちゃうものなんだろうな。

人生という途方もなく長いムービーの
パンフレットが見える化されて手の中に現れたような。
ある意味、なんだこんなものか、という気分になったのです。
失敗したって二行くらいで済んじゃうな、書かなくてもいいし。

なんだこんなものか、という気持ちは
制作側としては意図していなかった受け取り方かもしれませんが、
私としては、ちょっと救われた一冊となりました。


話は変わりますが、先日テレビを見ていて、
既に休業を決めたアイドルの方が画面の中で歌っている時に、
一生懸命目に焼き付けているファンの方の気持ちが伝わってくるような気がしました。笑顔のひとつひとつが、余計に輝いて見えるのです。

終わりは大抵唐突で、いつもは特段意識していないものですが
終わるから美しくて、終わるから尊い。
そういうものなんだろうな、終わりを意識するのも大切だなと思った出来事でした。